2023年3月15日水曜日

デイリーほっと通信

3月12日(日)

一緒にフィロソフィーを学んでいる仲間のコメント。貴重なコメントだな〜と思いましたので、
共有します。
(こんな方がいるんだ〜と知るだけで。)以下スポーツでは、体にある程度無理をかけていると、(たとえば毎日柔軟体操をしていると、体がやわらかくなるように)できないこともできるようになります。
脳も同じことが言えます。コピーライター駆け出しの頃、よくしごかれました。ある商品のデビュー広告のキャッチフレーズを書け、と上司から言われ、徹夜して100本書いて、「できました!」と出したところ、それを見もせずゴミ箱に捨てられて、「他にないの?」と言われたり。「佐野、いいキャッチは机から5cm浮いて見えるんだよ。お前のコピーはぜんぜん浮かばねえなー」と怒られたり。
そのうち少し知恵がついて、300本書いているのに、先に100本渡して、「他にねえのか?」と聞かれて、次の100本を後ろから出したりしました。
そんなふうに何百本もコピーを書いているとそのうち何もでてこなくなります。一文字も書けなくなってしまう。頭の中に言葉がひとつもなくなるのです。そんなことは生まれて初めての経験なので、驚いてしまいます。怖くなって、「あいうえお」とか、50音のひらがなを書いたこともあります。
そんなふうに「追い込まれて」いる時は、単に苦しいだけなのですが、それを続けていると、仕事でどんな商品が来ても、すぐに100200本ぐらいのコピーフレーズが頭の中にドッと溢れ出すようになります。柔軟体操で体がやわらかくなるのと同じ要領です。
キャッチフレーズとは、実は言葉だけの問題ではありません。その商品の魅力探しであり、売り方の切り口探しでもあります。言葉を変えれば、すべてのマーケ戦略のベースとなる「コンセプト」づくりでもあるのです。
地獄の100本ノックを乗り越えたコピーライターは、結果的に、マーケターとともに戦略立案の中心を担うクリエイティブディレクターへと成長していくわけです。
追い込んで、追い込まれて、ぎりぎりの精神状態(もしかしたらもう谷底に落ちちゃってるかもしれないけど)でしか、見えない景色があるのは確かです。いいコピーは誰にでも書けるのですが、「これがいいコピーだ」と選ぶのは大変なことです。それは火事場の馬鹿力ごとく、なんども火事場をくぐり、体のあちこちに火傷の痕をつけないと、わからない境地かもしれません。

 

 

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